Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

日本のどっかに勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

医師不足

初期研修のマッチングに関して思ったこと。

さて、Twitterや私の病院内の動向を見ていて分かったのですが、医学部6年生の臨床研修病院マッチングの結果が今週発表されたそうですね。毎年、高倍率で枠が埋まる病院と, 定員割れで苦悩する病院とで明暗が分かれるパターンがお馴染みになっていますが、今…

これまでの経験で印象に残った症例など

最近更新の間隔が飽きがちですが、今日はYouTubeでは語りにくい(話すよりも、ここに書くほうがいいと思う)ことを綴ろうと思います。これまで救急診療に携わる中で、特に印象に残った症例について書いてみようかと思います。なお、個人情報保護のため、具体…

【COVID-19】我々は今日の日本政府に大本営のデジャヴを見ているのか?

安倍首相が4月7日に緊急事態宣言を埼玉, 千葉, 東京, 神奈川, 大阪, 兵庫, 福岡の7都府県に対し発出してからもう既に6日。Twitter等を見ている限り、徐々に社会へその緊張感が伝わり、繁華街から人気が多少は引いたように思われます。 専門家集団が表明し続…

【若手医師は特攻隊なのか】自民党議連が提案。「初期研修2年目は半年間、医師不足地域で研修を」

昨晩から本日夕方まで、外勤先の市中病院で日当直だったんですが、Twitterを見ていたら気になるニュースを目にしました(下記リンク。有料記事なので私は内容を読めておりません)。 ・卒後二年目はまだ「初期臨床研修医」です・殻をかぶったひよこに、大人…

必要なのは『断らない救急』ではない

ずっと、更新が止まってしまいました。すみません。理由は3つかあります。 ①ネタが切れた。 ②仕事から帰ると、疲れてブログを書く気がしなかった。 ③単に更新が面倒臭くなった。 以前から本ブログで愚痴っていますが、救急搬送された患者に診断を下し、当該…

大学病院救命センターに勤務していて感じたことなど。

久しぶりの更新となります。時々ネタはふと思いつくのですが、なかなか文章化する機会がなく(正確には、気が起きず)過ごしていました。今日は、大学病院の救命センターで診療に携わって思った事などを綴りたいと思います。 (1) 内科系診療科でも重症管理(I…

【救急医の一斉退職問題】失敗の事例を検証せよ

最近、Twitterなどで大津市民病院の救急医一斉退職のニュースが話題になっていました。 救急科以外で蘇生や重症管理に慣れているのは(私の勝手なイメージですが)循環器内科医, 麻酔科医, 心臓血管外科医, (一部の)腹部外科医, 脳神経外科医という感じで…

救命センター・ドクターヘリ運営に関与して思ったこと

今日は、大学病院で救命救急センター, 及びドクターヘリでの診療を通して感じた日本(或いは地域)の医療の問題点を綴ってみようかと思います。 (1) 3次救急病院ならば全診療科を揃えておくべきでは 私の勤務する都道府県は、私の居る大学病院を含めると合計…

医局肯定派の言動に、昭和の陸軍を見てしまった話。

過日、Twitterを見ていたら医局制度に関して非常に興味深い、刺激的な議論が飛び交っていました。私はこれまで、大学病院・医局中心の医療について批判的な記事を幾多と書いてきましたが、同じく従来の制度に批判的な医療関係者の方は結構いらっしゃいます。…

令和に持ち越したくない、医療界の欠陥

5/1、新天皇が即位し、令和元年がスタートしました。但し、変わったのは年号だけであって、世界や日本の何かが劇的に良くなるという保証はありません。それは医療だって同じ。元号が変わっても、旧態依然であれば医学部女子受験生への不当な足切りや、医療ス…

大学病院・医局は監督者として適格なのか

今回は、抗菌薬シリーズの最終回を延期し、別の話題を取り上げます。 以前の投稿でも取り上げましたが、私の3月までの勤務先の病院には消化器内科医が1名しかおらず、しかも持病のため内視鏡検査・治療ができず、入院患者(せいぜい3~4名が限度)の診療と外…

医師を増やすことは『悪』なのか?

「抗菌薬まとめシリーズ」を書こうかなと思っていましたが、色々と気になっていた話題があったので、今回は同シリーズを一旦中断します。 今日は、医師不足 ー 特に、医学部定員増や医学部新設について ー 様々な議論が飛び交っているので、まずはそれについ…

厚労省がやっと認めた。「2036年でも医師は不足」

数日ぶりに更新します。最近ネタ切れでしたが、今朝様々な意味で興味深いニュースを発見しました。 mainichi.jp 厚労省は「医師の偏在を2036年までに解消する」という目標を以前より掲げていたのですが、その2036年になっても、2次医療圏(各都道府県をブロ…

救急外来は、やはり救急医(と総合内科医)に任せよう

ちょっと久しぶりに医療ネタへ戻ります。 以前、地方の市中病院に勤務している知り合いの脳外科医と話していた時に、こんなグチをこぼしていました。 「大学から来ている外科医が、脳梗塞の患者を見逃し帰らせた」 この脳外科医の勤務する病院(以下A病院)で…

厚労省案「医師の残業時間は年間2000時間までOK」の影響を考察する

昨年より何回も、SNS上の医療スタッフの間で話題になっている厚労省主導の「医師の働き方改革」ですが、また物議を醸す案が出ています。 yomidr.yomiuri.co.jp ※Huffington Postの記事をリンクとして引用していましたが、リンク切れが判明したので読売新聞の…

もはや、地域医療を医局に任せてはおけない

暫く更新がストップしていましたが、溜まっていたネタがそろそろ熟成されてきたタイミングなので、少しずつ放出していきます。 以前から、本ブログでは医局制度や医学部入試での女子受験生差別問題, 初期研修・専門医制度等について様々なfactや持論を展開し…

私自身の将来の展望(キャリアなどについて)

最近は多忙さに加え、ネタ切れなので更新が止まりがちです。 今回は、漠然とした内容ですが、私が自分自身の将来に対する展望をちょっと書いてみたいと思います。 「専門医(私の場合は救急専門医)を取得し、必要に応じてサブスペシャリティとして他の資格…

呆れた『地域医療支援』の実態

過日、某県(以下X県)の過疎地域(以下Y地方)の診療所で勤務する知り合いの内科医(以下A氏)と飲んでいたら、自治体や大学病院の、地域医療に対する余りにもお寒い対応を知ってしまったので、問題提起も兼ねてここに綴っておきます。 Y地方では数年前、夜間に車…

厚労省発表。「医師は長時間労働を我慢せよ」

もう2日前に発表され、Twitterで話題になっていた記事ですが、厚労省は「一般労働者と同じ規則だと医師不足などで医療現場が混乱しかねないため、独自ルールが必要だ」と判断した上で、医師の残業上限を一般労働者の720時間よりは緩くする方針を打ち出しま…

東京医大、女子受験生を一律減点

www.bbc.com 東京医大の“女子合格抑制”が「必要悪」であるはずがない3つの理由 #東京医科大学 http://bunshun.jp/articles/-/8470 www.huffingtonpost.jp 今更ですが、東京医大でまた不祥事が発覚しました(上記3リンク参照)。女子受験生の得点を一律に減点…

地域枠の義務を拒否する研修医たち

https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/int/201807/557228.html 今回は、↑日経メディカルの記事を取り上げてみました。今年4月に新たに初期研修医になった人たちのうち、「卒業した大学のある地域で、初期研修を含め数年間、指定された医療機…

ちょっと頭にきたニュースー 「医師の働き方改革」?「過労死ラインが上限なら『救える患者も救えない』」?

昨日Twitterを見ていたらあるニュースが話題になっておりました。というより、激しい批判の嵐が発生していました。 ※Yahoo!ニュースを引用していましたが、リンク切れになっていたためニュース記事のリンク先を変更しています↓(2018/7/21) medical-saponet.m…

【医療関係者向け】新専門医制度の何が問題か

以前から、新専門医制度に関して様々な問題点が指摘されています。ネットで様々な記事を読み、我ながら「なるほど」, 「これは良くないぞ」と思う事もあったのですが、今回は①「なぜ新専門医制度が始まったのか?」, ②「新専門医制度のどういった点が問題な…

大学病院・医局制度は地域に貢献しているのか

こんばんは。今日は、私が初期研修医時代から抱いてきた疑念を思いっきり(?)開陳してみたいと思います。 今、私が居る市中病院は脳神経外科を中心に、多くの救急患者を昼夜問わず受け入れています。病床は200床そこそこと大学病院と比べるとだいぶ少ない…

理想的な初期研修とは(2)

前回に引き続き、理想的な初期研修はどうゆう物か考えて行きます。今回は私が実際に経験した実例を示したいと思います。 以前、知り合いの誘いで沖縄県うるま市にある県立中部病院の救急科を見学した事があるのですが、そこの完成された診療体制に大いに感銘…

厚労省と医師会の嘘(3)

こんにちは。本ブログの記事を書くのもこれで5回目になります。もうお気付きの方も居るかと思いますが、実はTwitterアカウントも開設しました。 twitter.com お手数ながら(?)follow&retweetよろしくお願いします。 今回も前2回同様、上昌弘氏の著書『病…

厚労省と医師会の嘘(2)

今日は前回厚労省と医師会の嘘 (1) - Voice of ER ー若輩救急医の呟き・戯言ー に続き、上昌弘氏の著書『病院は東京から破綻する』を参考に、医師不足に関する議論を取り上げます。 前回の記事では、①舛添要一氏が厚労相時代に、日本医師会や厚労省の官僚と…

厚労省と医師会の嘘 (1)

もう10年近く前ですが、皆様は当時の舛添要一厚労大臣が「2016年までに医学部定員を1500人に増員する」という方針を発表し、ニュースで話題になったことを覚えてらっしゃいますか?私はちょうど、医学部入りたてぐらいの時期だったのですが、正直ある本を読…