Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

日本のどっかに勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

今年ももう少しだけど毒を吐いてやる

 こんにちは。現役救急医です。COVID-19の感染拡大、全然落ち着いていません。それどころか、今私の居る地域でもまたまた拡大し、色々な所(老健施設や病院を含む)でクラスターを起こしています。こんな状況で冷静でいろ、という方がおかしい。

 国民皆保険制度を持ち, 良くも悪くも世界的に国民が長寿を誇り, 医療機関受診の閾値が低い我が国で、COVID-19の感染拡大の度に救急搬送先が見つからない, 自宅療養中のCOVID-19患者へのフォローアップが追いつかない等の問題が続々と噴出した要因については、先日このブログで大雑把ながら紹介した通りです。

voiceofer.hatenablog.com

 私が解せないのは、今年夏の参院選で、こうした脆弱な我が国の医療提供体制の補強や, 社会保障といった問題が、メディア等で全然論点にならなかったことです。確かに、各政党から医療従事者(医師, 看護師など)し、医療従事者の待遇改善や, 裏付けが乏しい自費診療枠内での治療の規制などを訴えていた方は居ました。でも、TV・新聞等のメディアや, SNS上で大抵話題になっていたのは、安全保障や憲法, 物価上昇対策といったものばかり。そして、選挙戦の終盤以降は、安倍晋三氏殺害事件の影響もあってか統一教会関連の話題ばっかしでした(そして、政治家の資金問題も)。

 政治家の汚職は私とて許せませんし、中国の対外拡大傾向と国内での人権問題, ロシアの侵略行為, 北朝鮮の核開発・ミサイル開発・国内での人権問題も由々しき問題で、日本だって然るべき対抗策・自衛策をもつのは当然ですし、貧富の格差も国による強力なバックアップが必要ですよ。でも、『医療』という国民の生命・身体を支える重要なインフラに関する政策がここまで雑だなんて!

 今年夏も、政治家が何名か靖国神社に参拝しました。その報道を見て私はこう思ったんです。

「一体どのツラ下げて参拝しているんだ?」

と。ええ、靖国神社戦争犯罪者が祀られていることは私も知っていますし, 無茶苦茶な戦争をおっ始めた指導者と前線で無茶な作戦に従事させられて餓死・病死していった兵士を一緒に合祀しちゃっている形態には私は懐疑的ですけど、一応あそこって、『日本の国の為に戦死した方々』を慰霊する場所ですよね?令和を生きる日本国民の生命をロクに守れない連中が、そうゆう場所でどんな誓いを立てるというのでしょうか?戦没者の方々が来世から見ていたら、どう思うのでしょうか?恥を知って頂きたい!

 

 今年は平穏な心理状態で年末年始を迎えたかったのですが、これじゃ難しそうです。ましてやこれから帰省等々で人の流れが増えますからね。皆様どうかご自愛下さい。