Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

日本のどっかに勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

サッカー男子日本代表、無念。

 皆様こんにちは。昼休み時間にパパっとブログを更新している現役救急医です。今朝ニュースやTwitterを見て、サッカー日本代表クロアチア代表に負けたことを知りました。試合は録画し忘れて、まだ全貌を把握しておらず、ハイライトしか知りません。まあ流れとしては、

1. 日本が先制

 ↓

2. クロアチアが同点ゴール

 ↓

3. PK戦にもつれ込んで負けた

という感じなんですよね?実は私、2018年後半〜2020年初頭までDAZNJリーグライブ配信とか海外サッカーの試合のオンデマンド配信とかちょくちょく見ていたんですが、COVID-19パンデミックで中断された経緯もあって、見る習慣が無くなってしまい、従って、私のサッカーの知識は非常に中途半端な俄以下レベルです。

 でも、私の記憶の中に残っている、一番古いFIFA W杯男子大会は2002年の日韓大会です。日本が16強に進出して、世間が賑わっている様子を見て、子供心ながら「へえ、日本代表って、これまでにない良い結果を出したんだ」と思っていました。当時中学生でしたし、試合の中継も見ていませんでしたが、なんとなく嬉しかった記憶はあります。2006年大会はあまり印象に残っていませんが(ブラジル大会でしたっけ?)、グループリーグ敗退と聞いて「ああ、残念だなあ」とは思っていました。2010年の南アフリカ大会の時、私は医学生でした。日本代表が16強に進出した後、パラグアイ代表と対決している試合を友人らと一緒に応援していた記憶があります。その時もPKで最終的に競り負け、「ああ、よくここまで来た!頑張った日本代表!!」と思っていました。

 2014年ドイツ大会の時は既に医師になっていましたので、試合の中継を見る余裕はありませんでした。「ああ…日本はグループリーグ敗退しちゃったんだ」と新聞やニュースを見ながら、ぼんやり残念に思っていたと記憶しています。そして、「大迫半端ないって!」が流行語になった2018年ロシア大会。私は正直、日本がグループリーグを突破できると思っていませんでした。このブログでも、16強進出後のベルギー戦前や, 敗戦後(2019年初頭)に色々記事を書き殴っています。

voiceofer.hatenablog.com

voiceofer.hatenablog.com

  2018年のロシア大会から4年経過しています。上記のように私は本当に中途半端な俄以下のサッカーファン(?)です。しかし、前回大会と同様の16強に終わってしまった、という事実は厳しく受け止める必要があると思います。これまでのメディアの反応等を見るに、グループリーグ敗退時は「何が行けなかったんだろう、残念だ」的なムードが漂っている反面、16強の時には「日本代表頑張った!感動をありがとう!」というムードが色々な所で漂い、改善すべき点を感情論を排した上で冷静に議論するような土壌が欠けていたのではないか?と素人目ながら思います。

 選手の世代交代は進んでいますし、選手個人のレベルもそれなりに向上しているとは思います。ですが各個人の努力だけではどうにもならない状況はあります彼らを統率し、戦術・作戦・戦略を練る指揮系統のトップ − 即ちコーチ, 監督, 日本サッカー協会上層部など - のやり方も問われるべきでしょう。2018年の大会以降、何が出来ていて何が出来なかったのか, これから必要なものは何か、等について徹底的に総括してほしいものです。

天然資源とかについて色々思ったこと。

 こんばんは。現役救急医です。最近、ニュースのヘッドラインが「やれサッカーW杯だ、やれ日本が16強に入ったぞ」だのと賑やかですね。私はガチなサッカーファンではないですが、予想外の結果に驚くとともに、嬉しいと思っています。

 ですが、頭の片隅ではやはり、国内外で苦境に立たされている人々や, 様々な不正行為のことも憂慮しています。今回W杯開催地となったカタールでの人権問題(LGBTQ+への抑圧, 外国人労働者の酷使など), シリア内戦, 中国国内での人権問題(強引なロックダウンやチベットウイグル・モンゴル人への迫害など), 日本国内での貧富の格差・政治資金問題なども憂慮すべき課題ですが、やはりウクライナ情勢のことが気になります。依然ロシア軍はクリミア半島・ドンバス地方を含む占領地域から撤退する気配すら無く、電力インフラへの空爆ウクライナ市民の生活を困窮させようとしています。国際社会は、一部の国々を除くと、ロシアへの経済制裁継続・ウクライナへの支援継続で概ね一致しているように見えます。しかしながら、これまでの報道で指摘されているように、足並みの乱れも見られます。

ロシア産原油に上限価格、効果は? 「もろ刃の剣」懸念も―ニュースQ&A:時事ドットコム

 皆様もご存知かと思いますが、ロシアは石油・天然ガス等の天然資源(地下資源)が豊富であり、これらの輸出によって経済を維持してきました。また最近でも、パイプラインを止めたり, 破壊したりすることで欧州のNATO加盟国などへ揺さぶりをかけようとしているようです。他国の主権を蹂躙して侵略戦争を行い, その過程で数々の戦争犯罪を行う国家を何としても制止せねばならない一方で、その国が輸出する天然資源に依存していたが故に思い切った行動を取れない国際社会に歯痒さを禁じ得ません。

 思えば近年、"SDGs(Sustainable Developement Goals:『持続可能な開発目標』)"というフレーズがよく聞かれるようになりましたが、あの概念は単に「地球温暖化対策」・「生態系の保全」といった地球環境保全だけを志向したものではありません。「貧困格差の是正」, 「健康・福祉・教育の機会均等」, 「ジェンダーの平等」, 「平和と公正の実現」といった、ざっくり言うと『人権の保証』に関する目標も提示されているのですここらへんを誤解してはいけません。そのような観点に立てば、化石燃料への依存の縮小が実現できぬばかりか, ロシアをはじめとした「独裁体制下で自国民の権利を制限し続け、核兵器を含む軍事力で周辺諸国などへ不当な圧力を加え続ける」ような国家から天然資源を輸入し続けることこそ、SDGsの観点からも許容されうるものではありませんよね。

 以前も当ブログで言及していますが、こうした問題はロシアに限った話ではありません。アフリカ諸国も石油・ウラン・ダイアモンド等の地下資源が豊富であり、以前から様々な多国籍企業の進出が盛んに行われています。地下資源の採掘権等を牛耳っているのは、政治家や官僚といった『上級国民』です。しかしながらその連中が自分の地位を利用して私服を肥やしたり、自分と利益相反を有する一部の集団だけで利益を寡占するような状況(言うなれば、汚職・腐敗の横行)が続いています。そうやって各国で貧富の格差が広がり、そんな現状への不満を背景として過激派組織が跋扈したり、インフラ整備が遅々として進まなかったり、天然資源採掘以外の産業の育成が遅れたり、といった問題が現在も存在しているのです。

voiceofer.hatenablog.com

 長くなってしまいましたが、やはり我々は、日常的に使っている様々な資源 − 化石燃料, レアメタル(電子機器などに使用されるもの), 木材など - に関して、『環境保全』・『地球温暖化防止』の観点だけでなく、上述したような『貧富の格差』・『人権の保証』といった視点を持ってその出どころに対して関心を維持すべきであると思います。

Appleに物申す

 皆様、お久しぶりです。色々忙しくて、ブログもYouTubeも更新が止まり、気が付いたら11月も下旬です。既にCOVID-19第8波が始まり、老健施設や回復期・急性期病院でのクラスターの噂も飛び交って、心穏やかではありませんね。

 ちょっと今日は、昼休みの時間を借りて、Appleへの愚痴を書こうと思います。

 

 私は数年前からiPhone, iPad, MacBook Proを使用するAppleユーザーなんですが、Appleカスタマーサービスに連絡するたびになんというか、イライラしてしまうんですよね(日本企業のカスタマーサービスも、企業や業種によってはついついカチンと来る対応をされることもありますけど)。思い当たるフシは幾つかありますけど、今日は最近の事例を挙げてみます。

 私のMacBookはどうゆう訳か、現勤務先の医局のWiFiと相性が悪いんですね。時間帯にもよりますが、突然WiFiとの接続が切れて、文書を編集中だった場合、クラウドへの自動バックアップが中断して地味に面倒臭いです。自宅や出張先のホテル等でのWiFi接続については、これまで問題ありませんでした。

 そこで私は、現勤務先のシステム担当に相談してみたのですが…「WiFiは正常に機能している」と言われました。私の座席の位置の問題かな?とも思い聞いてみましたが、「自分の端末が『先生の座席』(=私のデスクがある所)でもWiFiを拾えているので問題ない」との旨の返答を頂きました。

 うちのシステム担当職員の返答も腑に落ちないのですが、一度Appleカスタマーサービスに電話してみました。すると、予想だにしない返答が返って来たのです。

「パソコン側の問題だと思うので、macOSを再インストールしてみて下さい」

という旨の返答だったのです。

 私は違和感を抱きました。皆様もよく、これまでの経緯を読んでみて頂ければご理解頂けるかもしれません。

① 今のところ、自宅のWiFiや出張先のホテル等でのWiFiへの接続中に、途中で切れる等の問題は起きていない

② 今のところ、WiFiが勝手に途中で切れるトラブルが頻発しているのは現勤務先の医局だけ

です。これで「あなた(=私)のMacBook側に問題がある」というのはちょっと滅茶苦茶ではないでしょうか?私のPCの設定等を直接確認した上での意見なら分かりますが、電話で2〜3分話しただけでいとも簡単にこんな結論を出すのは、流石に根拠薄弱ではないでしょうか?厳密に判定を下すのであれば、本来は私の現勤務先のWiFiの設定と, 私のMacBookの設定を直接確認すべきではないのでしょうか?そういった厳密な鑑別等もせず、機械工学やプログラミング等の知識が皆無な消費者へいきなり「OSを再インストールしろ、だがその前にバックアップを取っておけ」などという面倒で複雑な操作を要求するなんて…正直、Appleへの信頼を損ね兼ねないと思うのですが!?

 できればこのブログ記事を、Appleの関係者(出来れば本社や日本支社の幹部クラス)の皆様にご覧頂き、これまでのやり方を猛省して頂きたいです。なので、お手数をかけますが、読者の皆様には是非この記事をSNS上などへ拡散して頂きたいです。宜しくお願いします。

ウクライナのインフラ等を空爆したロシア軍関係者が身バレ

 みなさんこんばんは。お久しぶりです。忙しすぎて、またまたブログ更新が止まってしまいました。YouTubeなんて8月以来全然更新してません。今回は、Twitter等を見ていて気になったニュースを紹介してみます。

 以前もこのブログ紹介していますが、欧米には'Bellingcat'と呼ばれるジャーナリストや専門家らからなる有志の調査報道集団が居ます。そのグループが10/24に、非常に興味深い記事を発表したので紹介してみます。

www.bellingcat.com

 今年(2022年)10/10にロシア軍はウクライナ各地をミサイルで攻撃し、120名以上の死傷者が出ました。この攻撃では公園や住宅地などが被害を受けていたにも関わらず、ロシア当局は「巡航ミサイルによる精密な攻撃でウクライナ軍の司令部などを狙った」という趣旨の発表を行っています。その後も10/11の空爆でキーウ, リヴィウ等の都市で停電が生じる等、市民生活を支えるインフラへの攻撃が続きました。

ウクライナ検察、ロシアの空爆に刑事手続き ミサイル100発超 | 毎日新聞

アメリカ、「残忍な」攻撃とロシアを非難 ウクライナ各地への砲撃 - BBCニュース

ロシア軍、ウクライナ首都のエネルギー施設空爆 3人死亡 | ロイター

空爆を受けた現場に残った残骸から、これらの攻撃に用いられたミサイルは大半が'Kalibr'(洋上発射型), 'R-500'(地上発射型), 'Kh-101'(空中発射型)の3種類だったことが判明しています。

 そんな中、Bellingcat'The Insider''Der Spiegel'といったメディアと協力して調査を行い、これらのミサイルの発射に関与したロシア軍の関係者を特定しました。その連中が勤務しているのは"Main Computation Centre of the General Staff"(GVC)という部署であり, モスクワの国防省サンクトペテルブルグの海軍本部を拠点にしているそうです。

 

 ここで気になるのが「こんな重要な部署の存在やメンバーの名前がどうしてこんな簡単にバレているのか?」ということです。まずBellingcat・The Insider・Der Spiegelのチーム(以下、『合同チーム』と呼ぶは、ミサイルの製造やプログラミングに特化したロシア軍の教育機関モスクワにある戦略ミサイル軍アカデミーと, ペテルブルグ郊外にある海軍工学研究所の卒業生に関する公開データを入手しました。ロシアではネット上で個人情報が売買されており'Telegram'というSNS上でこれら教育機関の卒業生の電話番号GVCのスタッフの電話番号を『発注』することで必要な個人情報が手に入ったそうです。卒業生の中で電話番号がGVCに紐づけられている人の住所は皆、ロシア軍参謀本部(モスクワ市, Znamena Street 19番地)を住所として登録していました。

 その後、合同チームはGVCの最高責任者であるRobert Branov少将の携帯電話のメタデータの記録を入手しました(上記同様、ネット上の闇市場で『発注』)。そして2022年2/24〜4月末までのBranovの通話履歴126件を解析した結果、ウクライナへの大規模なミサイル攻撃の前に特定の電話番号から通話が行われていたことが判明しており、その電話番号の主を調べたところ、Igor Bagnyuk中佐という人物が浮上したのです。

 そこで合同チームは、Bagnyukの携帯電話メタデータを入手しました。このデータから、Bagnyukがウクライナ侵攻以降に20名以上のGVCのエンジニアやIT専門家と頻繁に連絡を取っていることが判明したので、特に頻回に連絡を行っており, GVC将校と紐付けられる電話番号をネット上で入手しました。それらの通話記録を解析した結果、Bagnyukと頻繁に連絡を取っているチーム33名(以下、『ミサイルチーム』と呼称)の構成が判明したのです。またミサイルチーム内の通話を解析した結果、チームは3つの班に分けられており, それぞれ別のミサイル(冒頭で紹介したKalibr, R-500, Kh-101)を担当していることも分かりました。

 

 このミサイルチームには、様々な背景を持つ人間が参加しているようです。以下に具体例を示します。

  • Bagnyuk:1982年生まれ。2004年に戦略ミサイル軍アカデミーを卒業し(専攻はロシア軍のミサイルのITシステム)、地方の部隊に勤務後、2010年にモスクワに異動しGVCに所属。2015~2017年の間に、シリアでの軍事作戦に従事した可能性あり。
  • Matvey Lyubavin少佐:1992年生まれ。2009年にNakhimov海軍学校を卒業後, 2014年に海軍工学研究所を卒業(専攻は特殊なシステムのIT自動化)。その後銀行のIT担当などの一般職に従事し、海外旅行やファッションショーの開催などに興じたこともある。2020年頃には既にGVCのミサイル航路事前計画ユニットに勤務していた。

ミサイルチームのメンバーの大半は20代後半と若く, 最も若いメンバーは24歳でした。多くの者が民間の数学教育ないしIT教育を受けていた一方で、全員が戦略ミサイル軍アカデミーや海軍工兵研究所で訓練を受けていました。上述の通り、皆モスクワやサンクトペテルブルグといった司令部で勤務しています。

 

 厳重な機密情報管理が求められる組織の一つである軍の中でも, とりわけ機密性が高い組織の構成員の名前や連絡先までもがネット上で売買されているということ自体が正直驚きですが、今回はそのお陰で加害者の素性がこうして白日の下に晒されることになりました。記事の中にも書いてあったんですが、ジャーナリストから直接電話でウクライナでの空爆のことや自身の所属を聞かれたミサイルチームのメンバーたちは回答を拒否したり, 「そもそも自分は軍人じゃない」と関与自体を否定したりしたそうです。ですが、いずれにせよ世界中の人間 − そして一部の良識あるロシア国民 − が『ロシアによる戦争犯罪』という現実に目を向け、各々の記憶に留めています。プーチンらロシアの上級国民や, 侵攻・虐殺に関与した軍人らは死ぬまで糾弾され続けるでしょうプーチンとその取り巻き連中については、今後起訴され処罰されるかどうかは予測し難いですけれども)