Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

東日本の某県に勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

厚労省がやっと認めた。「2036年でも医師は不足」

 数日ぶりに更新します。最近ネタ切れでしたが、今朝様々な意味で興味深いニュースを発見しました。

mainichi.jp

 厚労省は「医師の偏在を2036年までに解消する」という目標を以前より掲げていたのですが、その2036年になっても、2次医療圏(各都道府県をブロック分けしたもの)335地域のうち220で医師が不足する見通しであり、不足分を合計すると2万4千人になるのだそうです。3次医療圏(ほぼ都道府県単位)で見ても、新潟, 埼玉, 福島など12道県で計5,320人が不足する見通しとのこと。

 以前も本ブログで紹介したように(下記リンク参照)、これまで厚労省日本医師会, 全国医学部長病院長会議などと肩を並べ「少子高齢化の影響で、将来日本の人口は減少するので、医学部定員増員はもう必要ない(これ以上増やせば、将来医師が過剰となる)」と主張してきました。それが今回、突然趣旨の異なる『大本営発表』を行ったのです。背景は今のところ不明ですが、勤労統計不正の問題で厚労省安倍内閣への風当たりが強くなってしまったことから、これ以上野党に『あら捜し』をされて国会で突っ込まれ、ダメージを大きくする前に発表に踏み切ったのではないのか?と私は邪推しています(これって陰謀論ですか?笑)。

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※↓厚労省の勤労統計不正に関連した記事です

「官邸意向」を指示か。統計不正「真のキーマン」政治家の実名 (1/2)

追加給付、相談8万3000件=統計不正で-厚労省:時事ドットコム

 なお冒頭の記事によると、昨年4月に厚労省有識者検討会議がまとめた医師需要推計では「医師の残業時間の上限を過労死認定目安の月80時間(休日労働含む)」とすると、『2028年頃にはその時点で必要な医師数である34万9千人を満たす』と発表していました。今回の試算も、医師の労働時間等各種因子を考慮して算出したそうですが、①残業時間が過労死認定の目安である80時間のまま, ②診療科や地域によっては、年間2,000時間まで残業を認める厚労省試案(下記リンク参照)そのまま, で試算した結果かもしれません。よって、医師の残業時間を減らす(負担軽減)という条件で試算を行えば、不足している医師数が更に増える可能性は十分あると思います。

厚労省案「医師の残業時間は年間2000時間までOK」の影響を考察する - Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

 いずれにせよ、今後の事態の推移を尚更注意して見守る必要性は高いと考えます。