Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

日本のどっかに勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

【ウクライナ侵攻とCOVID-19】もう末法の世なのでしょうか

 こんばんは。現役救急医です。昨日まで、ウクライナ情勢に関してブログやらTwitterやらでキレ散らかしていましたが…正直なところそろそろ精神的に参りそうです。

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 あまり詳細は言えません(身バレ防止+守秘義務のため)が、私の勤務している病院がある地域にも、このCOVID-19第6波の影響が一気に押し寄せたような状況になってきました。報道とか, Twitterで見かけた医療従事者らの呟きで何となく「日本の状況は非常にまずいね」と分かっていたつもりなのですが…目の前に押し寄せたら、やはり心理的に受け入れることが難しいです。パンデミック前は当たり前に出来ていたことが、どんどん制限されていく。それは日常生活に限らず, 医療現場だって同じです。

 私の周辺がそんな事態になっている中で、「ロシアがウクライナに侵攻した」というニュースが飛び込んできた訳です。国際社会があれだけ牽制し, ウクライナ国民(とその代表者である政治家たち)があそこまで抵抗・抗議してきたのに。米国やNATOは激しく抗議し, 制裁強化を表明していますが、ウクライナへの肩入れをどこまでする気なのでしょうか?ロシアはどこまでウクライナの国土や住民を蹂躙するつもりなのでしょうか?専門家曰く、ロシアが周辺国へ介入する際、西側の『反撃』に対抗する手段は① 潜水艦・水上艦・防空システム等による接近阻止・領域拒否能力と, ② 核兵器, だそうです。つまり、状況次第ではロシアは核ミサイルを発射する可能性すらあるということです。そんなことをされたら、西側の核保有国(特に米国)も核による反撃に出ざるを得ず、核戦争が欧州・旧ソ連地域で現実となってしまいます。

 思い返せば、国際連合は1945年に「第二次世界大戦を防げなかった反省を踏まえて」成立した訳ですが、2022年現在に至るまで、冷戦中のキューバ危機・コンゴ動乱中東戦争ベトナム戦争などの様々な戦争・紛争を防ぎ切れず, 冷戦終結後もルワンダ虐殺・シリア内戦やパレスチナ問題などの中東諸国での紛争・ロヒンギャ人迫害など様々な人道危機を阻止できていません。また、京都議定書, パリ議定書といった枠組みが何度も採択されているのに地球温暖化の影響は年々悪化し、生態系や我々の日常生活に甚大な被害を与え続けています。そもそも国際社会全体が「先の大戦の反省」をロクに出来ておらず、危機への対応が遅れ、自らを破滅に近づけているのです。

 人類は、行くところまで行ってから − すなわち、地球温暖化等で生態系・気候がメチャクチャになり, 核戦争による被曝の影響を受け, 武力紛争等によって経済・社会が不安定化した状況に陥って初めて、「自分たちのこれまでのやり方が間違っていた、取り組み方・考え方が甘かった」と思い始めるのでしょう。残念ですが、私にはそうゆう荒廃した近未来しか想像できません。時々『終活』という言葉を耳にしますが、もしかしたら我々は社会や国家, 文明の『終活』の方法についても考え始めた方が良いのかもしれません。仕方がありません、我々人類の自業自得なのですから。