Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

日本のどっかに勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

【COVID-19第5波】一億総猛省が必要です!

 こんにちは。夏季休暇中なんで連日ブログを更新しています。COVID-19の感染がまたもや拡大しており、首都圏などでは病床数が逼迫して救急医療が機能停止同然になっているようです(通常の予定手術も延期を迫られているとのこと)。実は首都圏に住んでいる知り合いの医師とZOOMで話す機会があったのですが、酸素投与が必要な中等症患者ですら、ホテル療養はおろか自宅で療養するしかないような状態なのだそうです。

 そんなCOVID-19第5波ですが、これまでと違う要素が幾つもあります。まず、ワクチンが普及し, 接種が拡大進行中です。その為か、第1~3/4波と違って高齢者の入院・重症化が減少しています。ワクチンの最初の接種対象になったのが高齢者と医療関係者だったので、重症化や発症が予防されたのです。その反面、今感染したり入院したりしている人の多くは20~50歳代の若年者です。この世代はワクチン接種がまだ進行途上な上に, 文字通り現役世代ですから、毎日通勤通学したり, 人によっては友人だの同僚だのと会食・飲み会してしまい、それで感染してしまうのでしょう。

 それに輪をかけて状況を悪化させているのが、変異株です。今年の5月の時点で、日本国内で感染者から検出されるSARS-CoV-2の大半がα株(英国で最初に確認されたもの)だったのですが、今やδ(デルタ)株が急速に拡大しています。こうした変異株で懸念されるのが、感染力の強化と, 重症化, そして ワクチンの効果が低下することです。幸い、今日本で流通しているmRNAワクチンはδ株などの変異型に対しても、数字の上では減少こそすれども重症化や発症の予防効果は維持しています。それでも、感染しないに越したことはありません(重症化したらたまったもんじゃないし, 後遺症も苦痛ですし)。

 そんな状況では、ワクチン接種拡大と並行してロックダウンのような措置も必要になる訳ですが、依然『自粛』は要請のレベルに止まっていますし, 国民も国民で、第1波や今年の年始と比べると緊張が弛緩しているようにしか見えません。事実、私の居住地周囲の繁華街や, 東京の街中の様子を映した映像を見ても、1回目や2回目の緊急事態宣言時や, 今年の年末年始の時なんかより明らかに出歩いている人が多いのです。政府も大概ですが、国民こそCOVID-19に対する関心や危機意識を喪失している真っ最中と思わざるを得ません。

 医療現場で働く者の一員として意見を表明せねばならないと思い、動画にも今の考えを綴っています。ご視聴頂くのはもちろんのこと、SNSへシェアする等して是非、友人や同僚たちと危機意識を今一度共有して下さい。お願いします。

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