Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

日本のどっかに勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

マジで◯ソな国家・社会。

 こんばんは。現役救急医です。

 

 私は今、物凄くイライラしています。もう言うまでもないですよね?

 

 またCOVID-19が拡大しているんですよ!!これで7回目!!!!

 

 ニュース等で散々報道されているし, 現に私も臨床現場で実感しているのでもう言うまでもないかと思いますが、「救急車を呼んでも受け入れ先がない」・「医療スタッフが感染or濃厚接触者になって病棟や外来が回らない」・「薬の供給が間に合わず出荷調整中」等という事象がまた全国で発生中です。

 私の周囲でも、「スタッフの家族が感染し、スタッフ自身も濃厚接触者になったor感染した」, 「発熱等を主訴に受診した患者の殆どがPCRSARS-CoV-2陽性」という知らせが続々来ています。

 

 

 正直言って、私もうんざりですよ。ですが私が一番世間様に聞きたいのは、

 

 

「感染拡大の時は『医療崩壊!』などと散々騒いで心配していたのに、何故この間の参院選で日本の医療政策・社会保障政策に関する公約や議論をスルーしてたんですか?」

 

 

ということです!!

 

 一体何の為にメディアは存在するんですか?何故我々は皆投票権・主権を持っているんですか?何故国会があるんですか?何故首相は国会議員から選出されるんですか?もう一度考えて下さいよ。本当にアホらしい。

 

 全ての人間には人権があり, それには生存権も含まれます。そして各国民の人権を保証する責務を託されているのが国家という存在です。その国家が、我々国民の生存権を保証できないなんて、一体どうゆうことですか?

 

 

あ〜〜〜本当にムシャクシャする。まあ岸田首相ら内閣の面々だって責任重大ですが、やはり有権者の自覚の欠如こそ致命的な欠陥だと思いますよ。最近、私は思うようになりました。「俺はこんな国に生まれて幸せだったのか?」と。本当に悲しい。馬鹿馬鹿しい。頭にくる。

【今現場にいる医療従事者より】東医体に出場する皆さんへのお願い

 皆さんこんばんは。現役救急医です。今日は当直で、短い空き時間を利用して少しずつ記事を書いていたら、最終的にこんな夜更け(23時近く)にアップロードするハメになりました。断じて暇な訳ではないので、ご了承ください。

 

 さて、過日も触れたように、2022年において東医体は種目ごとに開催の可否を判断し, 西医体は中止の方針となりました。2020年以降、西/東医体はずっと中止となっており、「今年こそはやろう!」という強い意向が(全員でないにせよ)医学生の間で働いていたようです。

voiceofer.hatenablog.com

 今日は、そのような経緯で東医体の開催に踏み切った種目の関係者(主管校の学生や出場する学生, 及び医学部の教職員)の皆様へ、今まさに最前線で働いている一医療従事者として、幾つかお願い(もしくは助言)を申し上げます。

 

 

 始めに、私は皆さんがいわゆる『医師の卵』として、現在進行形のパンデミックであるCOVID-19や, その病原体であるSARS-CoV-2(とその変異株)について知識をアップデートし続けていると信じております。従って、どのような行為が自身と周囲の感染リスクを上げるか(或いは下げるか)について十分把握しており、その知識に則り行動可能だと信じています。私は今更、『東医体開催』という結論・合意形成や, 「自分は出場する」という皆さんの自由意志に関してとやかく言うつもりはありません。でも強いて言うなら、「自分はもうマスクなんて付ける気はない」, 「大会が終わったら皆で飲み会をやって派手に騒ぐ予定だ」,「コロナワクチンが全くもって未接種だ/3回目接種がまだ」などという方は出場キャンセルをご検討下さい。

 

 次に、「第7波が現在進行中のこのご時世で参加したくない」, 「自分は基礎疾患があるので感染したら重症化するかもしれない」, 「(基礎疾患はないが)自分が感染したり, 自分から友人・家族へ感染するリスクを冒したくない」といった理由により出場を辞退する人が周囲に居ても、責め立てたり, 出場を強要するような真似は絶対にしないで下さい。また、上記のような理由により「東医体には出たくない」と思っている方は、臆することなく周囲に対して意思表示を明確に行なって下さい。下らない同調圧力に屈し、自らの信条はまだしも, ご自分の健康やご家族の健康までをも損なう結果となっては元も子もありません。もし先輩や同期が恫喝的な方法で出場を強要してきた場合でも、強い意志を持って拒絶しましょう。そこまでしてあなたの自由意志を蹂躙するような人間は、どうせろくな連中ではありません。さっさと縁を切りましょう。

 

 最後に、「もし自分が感染してしまった場合どうするか」について事前に予測し, 準備しておきましょう。皆さん既にご存知と思いますが、多くの都道府県でCOVID-19患者によって病床の空きが乏しくなり, 医療機関内でもスタッフやその家族の感染により人手不足が生じており, 保健所は自宅療養者の状態把握などをカバーし切れないほどに逼迫し, 軽症者を療養させるホテルなども空きがなく, 感染した妊婦の入院先すらもすぐに見つからないような状態です。高齢者や中年以上の成人と比較して基礎疾患が少なく, 尚且つ大半が若年である皆様は、ほぼ全員が自宅療養になるかもしれません。皆さんの中には実家から遠い大学で学んでいる方も少なからずおり、そのような方々が自宅療養となった場合、「実家に帰って療養」というのも、帰路で具合が悪くなる・帰路で他人に感染させる可能性がある・実家で家族に感染させる可能性があるといったリスクを考慮するとやりにくいと思います。そうなった場合、食料・飲料水のみならず, 解熱鎮痛薬といったものも十分な数を備蓄しておく必要が生じます。東医体出場を控えたあなたは今、そうした準備までやっていますか?自信がないのであれば、出場は止めた方がいいかもしれません。

 

 東医体に出場する予定, もしくは 出場するか迷っている皆様に伝えたいことは以上です。大変なご時世ですが、どうかご自愛下さい。

2022年の西医体は中止で、東医体は開催するらしいけど

 読者の皆様こんにちは。現役救急医です。仕事やらその他雑務やらで、ブログとYouTubeの更新がまた止まっていました。一応、Twitterは見ていましたけど。

 

 さて、我々医療従事者のみならず, 医学生にとって気になる情報がTwitter上で流れ続けています。日本の大学医学部医学科学生が参加する大会『東日本医科学生総合体育大会(東医体)』と, その西日本版である『西医体』というものが以前から存在しており(高校で言えば高校総体やインターハイのようなもの)、私も学生時代に出場したことがあるのですが、2020年以来、COVID-19パンデミックのせいで開催が見送られてきました。ですが、今年(2022年)夏に関しては全く異なる意思決定がなされたようです。結論から言うと、

  • 西医体:中止
  • 東医体:種目ごとに判断

ということになったようです。今日は色々あって1日休みだったので、私はまずGoogleで公式発表を探してみました。ですが、東・西医体の公式HPや公式Twitterアカウントは見つかったものの、「西医体は全種目開催中止です」・「東医体はこの種目について開催, この種目は中止です」という旨の公式発表は見当たりませんでした。従って、全ての情報ソースをTwitter上の医学生アカウントに頼らざるを得ませんでした。

 

 まず、西医体中止の判断に至るまでに以下のような経緯があったそうです。

つまり、西医体主幹校の浜松医大がBA5拡大による第7波のためか中止を一度提案したものの、他大学代表からなる委員会によって否決され, 結局各大学の教員からなる理事会の判断で西医体が中止になった、ということでしょうか。

 

 その一方で、東医体は全く異なる経過を辿っている様です。

 

 先日も京都の祇園祭が3年ぶりに開催されるなど世間がいわゆる『規制解除』ムードに浸り始めていることや, コロナワクチン3回接種もそれなりに進んできたのも事実です。しかしパンデミック自体が収束した訳ではありませんし、周知のように第7波の影響で再び医療提供態勢が危機的になってきています。事実、医療従事者によるTwitter上での呼びかけも、かなりの危機感を伴ったものとなっています。

そもそも私はこの状況で、人が沢山集まって大声で騒ぐようなイベントをそのまんま開催しようとする各自治体・企業・団体の姿勢に対して強い疑問を抱いています。医学生・医療系学生による大会とて例外ではありません。

 これまで何度もブログやYouTubeで指摘していますが、パンデミック前から日本の医療は、一地域内に複数の急性期医療機関があり、各々の施設へスタッフが分散配置されている。どの施設も人手が少ないので、ギリギリの状態だった, 患者は急性期を離脱しても、回復期リハビリ病棟や療養型病床, 老健施設等の空きがすぐに見つからない・入所ないし転院までに複数の障壁がある, どの部署・診療科もだいたい同じ給与であり、病院によっては残業手当等がロクに出ないところがある, 等の要因があり、もともと現場の医療従事者の努力に依存してギリギリ維持していたような状態でしたそれがSARS-CoV-2の蔓延により、COVID-19患者で病床が埋まったり, 医療スタッフ自身が家族などから感染して欠勤したりすることで、一挙に『崩れ落ちている』という光景が感染拡大の度に繰り返されたのであり、また現在進行中でもあるのです。即ち、いわゆる『withコロナ』を一切の不安なく実現するには、この脆弱な医療態勢を補強する政策が実行される必要があるのです(それが実現しない限り、本来は不可能です)現状の日本で今のところ4回目接種の対象は①60歳以上, ②18歳以上の医療従事者・高齢者施設従事者・基礎疾患や重症化リスクのある人 でありますが、特に②を対象にした4回目接種が十分に進んでいるとは言えません。

 このような状況で東医体を実施すること自体、十分に物議を醸しうる意思決定であったと思います。医学生らは概ね18歳以上であり、法律的には成人に値します。ですが医師国家試験合格と医学部卒業を果たさないと医師免許やその後の専門医資格・学位は持てないし, そもそも学生なので「定職について一定の収入がある」という状態ではありません。そんな中途半端な成人に、「多少なりともSARS-CoV-2伝播のリスクが伴う体育会系のイベント開催の可否の判断を任せる」という意思決定が賢明であるとは私は思いません(流石に各大学医学部教員が学生に判断丸投げにしたとは考えられませんし、医学生がCOVID-19やSARS-CoV-2に関して全く知識をアップデートしていないとは思いませんが)。また、万が一東医体に参加した学生が感染してしまった場合、おそらく多くが自宅療養になるでしょう。その場合、「実家に戻って療養」は家族を感染させるリスクがあるのでやりにくいので、「通学のために借りたアパートで一人で療養」という選択をする人が多くを占めるかもしれません。若年者なので高齢者などと比べると重症化リスクは低いと思いますが、「既に定職に付いている成人の自宅療養」と, 「実家でない環境での学生の自宅療養」では色々と意味合いが異なってきます。医学生とはいえ、こうゆうリスクが伴うことを十分考慮した上での意思決定だったのでしょうか?

 

 そもそもの話、私は医学部における部活動・サークル活動のみならず, 学校教育で当たり前のように行われてきた部活動・体育祭・運動会のようなイベントの存在に対してすら否定的な意見を持っていました。運動が苦手だったり, 世間一般で持て囃される『コミュ力』とかいう『素質』が乏しいかった(或いは、そのようにように見えた)り, いわゆる『協調性』とかいうものが(周囲から見て)欠けていたりすると共同体から迫害・排除されるような同調圧力を生み続けてきたものが、こうした体育会系の文化・精神・『伝統』であると考えているからです。

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 パンデミックの有無に関係なく、こうした体育会系の部活動やイベントをこのまま継続するのか, 或いは、もう少し各個人の尊厳や自由などを尊重した形態に改革するのか, についての議論を活発に行って欲しいと思っています。まあ私個人としては、「上記に列挙した悪弊が無くなるまでは体育会系部活や体育祭・運動会などはやらなくていい」と思っていますが。

 

 ※最後になりますが、TL上で見かけた色々な方のツイートを、誠に勝手ながらこのブログ記事に引用してしまいました。何卒ご容赦下さい。

言葉が見つからない(※2022年7/8午後6時25分ごろ追記)

 こんばんは。現役救急医です。

 とても衝撃的なニュースが飛び込んで来ました。皆さんはもうご存じと思うので、ニュース記事へのリンクを貼る等は敢えてやりません。

 本日昼頃(2022年7月8日)、選挙戦のため奈良で演説していた安倍晋三元首相が、銃器(一部報道によると自作のようです)で攻撃され、救急搬送されました。突然のこんな重大な事件ですから、ご本人様の状態に関する情報は錯綜している感が否めませんでした。少なくとも、ドクターヘリを利用して奈良医大付属病院救命センターまで搬送されたことは間違いありません。報道によっては、現場で胸骨圧迫をしていたとの話もあります。

 正直な話、外来や病棟業務で忙しい中で、私には周囲のスタッフや患者の噂話を立ち聞きし, 余裕がある時にスマホでニュースを確認するくらいしかできませんでした。この記事を書き始めた当初、私の手元には「安倍氏奈良大学付属病院に搬送され、ICUで治療を受けている」という情報しかありませんでした。ですが、勤務時間が終わり, 病棟業務とかもようやく終わったところで、「安倍氏が亡くなった」との情報が私の耳に入りました。午後6時過ぎの時点の話でした。

 

 ただただ、ショッキングです。銃犯罪, ましてや政治家を狙った事件なんて、情勢が不安定な外国か, 戦後の日本赤軍が跋扈したり、戦前の軍部や右翼などの暗殺事件が起きていた時代の話と思っていました。COVID-19対策や森友・加計学園問題などを巡って、安倍氏への評価は二分していると感じますし, 正直私も彼に対して不信感をずっと抱いていましたが、今そんなことは関係ありません。彼の業績の評価については、もう少し時間を置いてからやっても良いのではないでしょうか。ただただ、ご冥福をお祈りします。

 

 なんかSNSなどを見ていると、安倍氏を嘲った人が居るとか, 根拠のないメチャクチャな情報を流している人が居るとか, 様々な情報・反応が流れてきます。

 

 私の言いたいことは、現時点では次の2つだけです。

 ①とりあえず、根拠の乏しい憶測とか, 瞬間湯沸かし器の如く湧いてきた感情論とか, 日頃抱いてきた思想とかは胸の内に留めて、彼の冥福を祈りませんか。

 ②急病にせよ事件・事故にせよ、人が突然倒れて、心臓が止まっているか判断に迷ったらすぐに胸骨圧迫しましょう。脈が触れるかどうかなんて、私とて今でも瞬時の判断に迷います。呼びかけ等に反応がなく、呼吸もなかったり, 呼吸の様式がおかしかったりしたらすぐに胸骨圧迫しましょう。あと、周りにいる人に大声で呼びかけてサポートを要請し, 119番に電話したり, AEDを周囲の人間に持って来させる事も大事です。

どうかお願いします。

 

 動機・事情がどうであれ, 相手が誰であれ、暴力を用いて物事の『解決』を試みることには断固として反対します。

 

 最後になりますが、改めて安倍晋三氏のご冥福をお祈り申し上げます。