【中央官庁と国会・全有権者・河野行革相に届け】ハンコレス・ペーパーレス化はまだ先ですか?
こんばんは。先日ちょっとイラっとした事があったので、それに対する私の問題意識みたいなモノをシェアする為にブログを書きます。
今年4月から私は医局人事で大学病院を離れ、市中病院に赴任した訳ですが、その手続きの際に結構な量の書類を書く羽目になりました。国公立大学附属病院を離れて私立の病院に行くので、保険も政府管掌のものから国民健康保険に移行します。自家用車で通勤するのですが、車検証や車の保険証書, 運転免許証のコピーも求められます。他に、医師免許証や保険医登録票, 住民票といった諸々の書類を提示せねばなりません。他にも手書きの書面が何枚もあり、それぞれ複数箇所にボールペンで記入したり, 印鑑をついて回らないといけません。そして提出する公的な証明書の中には当然ながら、平日日中に役所等の窓口へ, これまた印鑑だの身分証明証だのを持って行かないと発行できないものが多くあります。
余りにも煩雑過ぎではありませんか?私は途中からイライラし始めました。ましてや、印鑑なんて科学技術が発展した今日では、3Dプリンターみたいなもので容易に偽造出来てしまい, 個人認証的なものに実質用途を成さないのではないでしょうか?
最近、河野太郎行革相が「脱ハンコ」や「ペーパーレス化, FAX廃止」等を唱えており, 中央官庁から始めるつもりのようですが、是非医療現場や地方自治体, そして民間企業でもそうなるようにして頂きたいものです。
社会保障, 戸籍・住民票等の様々な役所手続きのオンライン化については、「個人情報保護の観点で反対だ」といった意見や, 逆に「プライバシーを理由に反対し続けている人が居るからなかなか実現出来ないんだ」といった意見をTwitter上などで時折見かけますが、そもそもあらゆる技術にリスクが付き物であり、それを克服したことで私達は今日の文化的な生活を実現してきた訳です。
体に着火したら火傷をしますし, 火災は広範囲を焼く場合もザラではありません。それでも人類はその火を用いて肉や根菜類等を焼く・煮ることで消化し易くし, それによって食物消化・吸収以外の要素(脳の発達など)に時間とエネルギーを割けるようになったのです。石炭で動く蒸気機関は活気的な発明でしたが、エネルギー効率で勝るガソリンエンジンに取って変わられました。両者ともモノを燃やすので二酸化炭素と粉塵・有毒ガスを排出しますが、粉塵・有毒ガスについては蒸気機関の衰退や, ガソリン車等の排ガス浄化機構の発達により軽減が可能となりました。二酸化炭素排出についても、20世紀末からの燃料電池とのハイブリッド機関が登場し, 今日に至るまで普及や改良を重ねているので、今後も状況が変わっていくでしょう。
雑多な役所手続きをデジタル技術により一本化・オンライン化する事には確かにリスクを伴います。職業倫理をわきまえない職員が勝手に覗き見るか流出させたり, 悪質なハッカーが巧妙な手口で不正アクセスして情報を窃取したりという不祥事は、官公庁のみならず民間企業でも現に起こっています。しかし、そうゆうリスクは(0には出来なくとも)軽減は出来ます。企業ないし国がちゃんと金を出せばセキュリティの専門家を十分な数雇える(or育成出来る)し, 待遇が良ければ職員は真面目に働くでしょうし, 必要な設備も購入出来る筈です。逆に言えば、国や企業のトップが「予算が、財政健全化が」だのとテキトーな理由を付けて投資を拒んでいる限りは、何も実現出来ないのです。
「予算/投資が無い所には改善なし」 - この事実を、今一度、企業トップや官公庁, 国会議員や首相官邸の皆様のみならず、有権者全員に理解して頂きたいものです。
追伸: 新型コロナウイルスワクチンの医療従事者優先接種を2回とも終えました。接種後の副作用の経験談や作用機序等について解説した動画を作成しているので是非ご覧下さい。なお作用機序については、一般の方に理解し易くなることを意識して簡略化してあります。