Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

日本のどっかに勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

もし(万が一)私が総理大臣になったらやりたい事

 皆さん、こんにちは。久しぶりの更新です。今回は、参院選が公示されたという事もり、私が万が一にでも政治家になったら掲げたい公約を書いてみます。

 本当は、透析や薬物中毒等の医学/医療ネタでも良かったのですが、まとめるのに時間がかかるので、より作りやすい政治ネタにしてしまいました。医学の話題を求めていた読者の皆様には申し訳ありません。

 

(1) 国会・地方議会で男女同数+年齢枠を

 今の日本の政治家を見ていると、どうしても「年齢層が上+男性」が主導権を握っている印象を否めません。日本社会の組織は総じて年功序列が原則なので、何を決めるにしても『年上』の意見が優勢となってしまいます。但し、『年上』の世代の価値観は総じて古いものであり、男尊女卑や, 「月月火水木金金」的な『勤労』を美化する精神論等、今の若い世代と相容れない要素が多いのです。企業の運営方針や、政府の政策になかなか若い世代の声が反映されないのも納得です。

 ならば、日本政府、特に立法府で率先してその状況を打開するのが良いかもしれません。具体的に言うと、公職選挙法等を改正して、各政党に対して今後、「立候補者は必ず男女比1:1にすること」を義務付けするのです。更には、若い世代の声が反映されやすいようにする為、「各政党は、立候補者のうち最低5割を45歳未満にすること」という規定を盛り込むのです。

 

(2) 『低コスト, 高クオリテティー, アクセスしやすい』の全てを追求するのはもう止めよう

 日本人はこれまで、『低コスト, 高クオリティー, アクセスしやすい』の3条件全てを満たすサービス提供を追求し続けてきました。しかし私には、それが現代日本で様々な弊害を生み出しているように思えます。医療/健康保険に関しては以前本ブログで言及していますが、サービス業, 製造業, 果ては行政による公共へのサービスすら影響を受けているように思えます。

医師を増やすことは『悪』なのか? - Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

 「自分らの懐が寒いので、廉価な製品・サービスが欲しい。でも品質は落とさないで」。企業は消費者側の要請に忠実に応えましたが、その結果人件費というコストが削られ、労働者の賃金が下がります(非正規雇用も増加)。収入が減って懐が寒い労働者は、更に安いサービス・製品を求めて、企業はそれにまたも応じる ー そのような悪循環があったと私は考えます。政府(永田町・霞ヶ関)や地方自治体ですら、予算や財政赤字を気にする一方で、目先の支持率や利権といったモノに囚われて「医師修学資金」, 「◯◯の無償化」といった奇妙な政策を打ち出します。他方、公務員には労働三権を認めないどころか、非正規雇用(低賃金)の職員すら居ます。

地域枠の義務を拒否する研修医たち - Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

 このような悪循環をどこかで断ち切る必要があると思います。民間企業・国・地方自治体を問わず、最低賃金を引き上げる, 残業時間の制限を厳格にする等の労働条件の改善を進めるべきです。民間企業か否か, 公務員か否か等を問わず、皆労働に対してはそれ相応の対価の支払いを受ける権利があるのです。そうすると、結果的にサービスを受ける側 ー 企業⇆消費者なら消費者, 国・自治体⇆国民なら国民 ー は、サービス提供者側の中に居る労働者に対しそれ相応の支払いをする必要性が生じます。つまり、『最大多数の最大幸福』を実現する為に、国民は多少の物価の上昇や、公共料金或いは税金の負担増加を許容する必要があるのです。

 

(3) 働き方改革をもっと進めよう

 (2)で「民間企業も公務員も関係なく、賃金を上げよう」, 「その為には高額な商品・サービス・税金等は許容しよう」と述べましたが、それはある程度社会にゆとりがないと無理でしょう。例えば、不眠不休・残業・土日祝日出勤による長時間労働を美化する精神主義は未だ日本社会に根強く残っており、それが様々な業種において精神的・肉体的な負担となっています。度々ニュースになったように、それを原因とした自殺等も起きています。また、上司→部下のパワハラ, セクハラといったトラブルも絶えません。

 そうした悪弊を一掃する為には、残業時間の厳格な制限, ハラスメント行為への厳罰化といった措置も必要だと思いますが、私はもう少し踏み込んだ政策を提案します。全ての企業と官公庁・自治体に対し、「全ての労働者へ、(時期に関係なく)1年間につき30日の有給休暇を取れるようにすること」と規定するのです。我ながら、全労働者垂涎の政策だと思いますが、如何でしょうか(笑)土日か否か, 夏休み期間か否かを問わず、30日も有給が取れれば、労働者は皆どっかへ遊びに行けます。有給を取った労働者が日本国内を遊び回ったら(30日もあったら海外旅行も出来てしまいますが)、JR・航空業界等の公共交通機関, ホテル, 観光地の商店等の様々な業種が儲かり、国内経済が更に活性化するかもしれません。

 また、言うまでもありませんが男女を問わず育休/産休を取りやすくする等、労働と家庭の両立が十分に出来る働き方改革も進めるべきです。

 

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。他にも思いついた事はあるのですが、今回は「これは特に重要かも」と思う点を厳選して書いてみました。今後とも宜しくお願い申し上げます。