Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

日本のどっかに勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

しつこいパンデミックについての思いをひたすら綴る。

 こんばんは。現役救急医です。先日、COVID-19の第6波の影響が私の同僚にまで及んでしまったことについて思ったことをブログに綴りましたが、YouTubeにも動画にして上げることにしました。

youtu.be

 2019年末に中国で発生し、瞬く間に世界に広がったSARS-CoV-2は依然、世界中の人々の健康や生活, 精神に負の影響を与え続けています。せっかく開発されたコロナワクチンも、国によっては十分に行き渡らなかったり, 2回接種を終えても数ヶ月経過したら、SARS-CoV-2感染に対する有効性が低下してしまったり(重症化に対する有効性は維持)とまだ先が見えない状態です。先進国の中には規制緩和に走っているところもありますが、それはCOVID-19により一定数の人間(特に高齢者など)が死亡することを受容しながら経済活動を促進する方向に舵を切ったとも思われます。また、そういった国では子供へのコロナワクチン2回接種を既に開始していたり, ブースター接種をハイリスクな人から先に接種する形で既に昨年中に開始していたりするパターンも多いように思われます。

 日本の場合、オミクロン株への水際対策を開始した時期, 或いは 第6波が収まった後から今年1月までの間に、ブースター接種は遅々として進んでいなかったし, 小児へのコロナワクチン2回接種は最近ようやく始まったばかりなのです。政府の決断が遅いせいで惨めな思いをしているのは医療現場だけではありません。感染した患者本人とその家族, 客足が遠のいて経営が逼迫している飲食店と観光・旅行業界の人たち, パンデミック前には当たり前だった飲み会・旅行といった楽しみを奪われた人たちetc...既に多くの人が困窮したり, 生命の危機を迎えたり, そうでなくとも窮屈な思いをしているのです。

 ウクライナ情勢や中国の対外進出も重大な懸念ではありますが、政府はこれまでのCOVID-19関連政策についても徹底的に総括し、国策を修正すべきです。もう後回しにしたり, 国民に「他人事だ」と思わせて済むような問題ではありません。