こんばんは。現役救急医です。Twitter&YouTubeのフォロワーさんは既にご存知かと思いますが、11/21~23(今日)まで、東京で開催されていた第49回日本救急医学会総会・学術総会に行っていました。COVID-19パンデミックにより、2020年初頭以来、医療系の学術総会も軒並み影響を受けてオンライン開催が主体になっていました。私が最後に学会へ現地参加したのは2019年10~11月頃(10月の救急医学会は東京で開催, 11月の某外科系の学会は西日本での開催だった)ので、実に2年ぶりの県外への旅行, かつ 東京への出張だった訳です。
そこで今回は、約2年ぶりに東京へ出た田舎住民の感想を挙げていきます。
① 徒歩圏内で道に迷う
自動車の場合、ほぼ全ての自家用車にGPSが付いているのでまず道に迷うことはありません(時々、変なルートへ誘導しやがることはありますが)。そして田舎は公共交通機関が十分でないので、自家用車での移動が主になります。
しかし東京への出張・旅行で赴いた時、多くの場合は電車and/orバス+徒歩での移動になると思います。今回の私も例外なくそうでした。学会会場は、Google Mapによると東京駅から徒歩圏内であり, ホテルも学会会場・東京駅双方から徒歩で到達可能な所に予約しました。
で す が………
いざ東京駅構内から駅前の大通りに顔を出し, Google Mapを参照しつつ学会会場へ足を進めたものの………
あれ?
あれれ?????
Google Map上、スッゲー近いはずなのに、どの建物か分からない!!!!!
東京はどこもかしこも高いビルだらけ, 商店・飲食店・オフィスの看板や、窓やショーウィンドウに掲げられた広告やらで目に入る情報量が多すぎて、頭が混乱するのです🥺
逆に田舎は(東京と比較して)低いビルばかりで、映画館やショッピングモール等の数もたかが知れています。言い方を変えると、群を抜いて高いビルやショッピングモール, 映画館, 駅がランドマークになってくれるのです。また前述のように、田舎の移動手段はほぼ自家用車です。自家用車を運転しながら目的地に行く(場合によりGPSの音声通りにハンドルを切る)のと、地図やスマホを見ながら歩いて目的地に行くのとでは視点が異なります。それに加えて、地方都市の規模なんてたかが知れているわけで、取り敢えず幹線道路(国道・県道・市道など)を走っていればなんとかなる訳です(但し、幹線道路を外れて田園地帯や山道に入った場合は別)。
② 地下道はもっと訳が分からない
東京は山手線のようなJRに加え、東京メトロのような地下鉄が縦横無尽に走っています。それもあってか、東京は至る所に地下街・地下通路が発展しています。
ですが、その地下街も私には大問題です。そもそも、広すぎるのです(そして、うねうねと曲がりくねりまくって迷路もいいところ)!それに加えて、地上と違って目印となるであろう建物が存在せず、あるのは柱と壁と広告くらい。構内図や, 地上との位置関係を示す地図は探せばありますが、如何せん細かすぎて、『現在地』を示すマークを探し出すのすら一苦労でした。
③人がとにかく多い
言うまでもないですが、東京って人が多いです。通勤時間帯でもそうでなくても、老若男女が街頭・地下街・駅構内・電車内とうじゃうじゃいる訳です。『鬼滅の刃』で人混みの中に鬼無辻ナントカが紛れ込んでいても、炭治郎以外気づかないというのが自然に感じるくらいです(笑)
土産物を探したり、コンビニに買い物を行く際に東京駅周辺の繁華街や, 八重洲の地下街を夕刻〜夜や昼時に徘徊したことが何度かあったのですが、飲食店内では沢山の人がマスクを外して飲食しつつ談笑している光景を何度も目にしました(おそらく皆、友人・同僚・恋人同士あるいは家族連れでしょう)。現在はワクチン接種拡大のお陰もあってか、SARS-CoV-2感染者数は落ち着いてきてはいます。しかしワクチンを接種していても感染はしますし、感染者が増えれば当然重症化する人は一定数生じます。もし近いうちに第6波が到来すれば、悠長に飲食店で談笑や飲み会をやることは(本来であれば)もう叶わないでしょう。
とはいえ、飲食店によって若干傾向に差があるように見えました。夜の居酒屋や, 日中と夜間のレストラン(イタリアン・中華・東南アジア・和食等ジャンルは問わず)は、2~3名以上のグループが向かい合って談笑しながら飲食している所が多く、行列すら出来ていました。その反面、吉野家やラーメン店は1人(或いは2人)で入る人が圧倒的多数であり、従っ、喋りながら飲食をする人がほぼ居ませんでした。スターバックスのようなカフェは、1~2人の少人数と, 3名位以上の大人数集団が入り混じっており、レストランと吉野家・ラーメン店の中間に位置しているような印象でした。
飲食店での外食に関して結論を出すのであれば、私のようなボッチ飯系非リア充非モテはラーメン店・吉野家くらいしか外食する店がないので、感染対策上有利なのかも知れません(笑)(注意: あくまで個人の感想です!)
あと東京駅から帰る時、東京駅の改札をくぐって地方行きの新幹線へ乗り込む人の数や、私の乗った新幹線の自由席へ乗ってくる人の数が多いのには少々驚きました。駅構内で幼い子供を伴った家族連れも多数見かけたので、東京→地方への短期帰省, もしくは 地方→東京への1日旅行の帰途の人も相当数居たと思います。多人数と集合しての会話・飲食のみならず, 県境を跨ぐような移動も、場合によっては感染拡大の端緒となり得ます。日本国内の人間の多くでコロナワクチンによる免疫が高度に維持されている段階ならまだ良いのですが、半年以上が経過して(重症化予防効果は維持されるというものの)SARS-CoV-2感染に対する防御効果が低下してしまう, and/or 第6波が起き始めたら、悠長に旅行なぞしている場合ではありません(だからこそ3回目接種を行うのです)。
最後に、学会と言えば出版社・書店の専門書コーナーがつきものですよね?今年も2年ぶりにそうゆうコーナーに行き, 私のようなポンコツ救急医や経験の浅い研修医・専攻医の皆様にとって大いに参考になりそうな図書を発見し、購入してから新幹線車内で読んでみたところ目から鱗だった(注意: まだ最初の方までしか読んでいません)ので紹介しておきます。
1. 『救急現場から専門医へ あの先生にコンサルトしよう!』(増井伸高 編著, 金芳堂)
2. 『終末期ディスカッション 外来から急性期医療まで現場でともに考える』(平岡栄治, 則末泰博 著, メディカル・サイエンス・インターナショナル)
読んだ感想は後日改めてブログ等にuploadする予定ですが(そもそも忙しくて読む時間が確保できるか微妙ですが)、1.は(とりわけ)他科上級医へ患者のことで相談を行う準備になると思いますし、2.は患者の死と尊厳について考え, また患者家族との向き合い方を考えるに当たって大いに参考となりうる本だと私は感じました。