Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

東日本の某県に勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

医学部入学の際のDo & Don't

 とうとう3月に入りましたね。大学入試2次試験の前期日程も終わり、そろそろ後期日程が始まる時期でしょうか(COVID-19の影響がどこまで及ぶか、イマイチ不透明なところですが)。

 そこで、今回は昨年同様、これから医学生になる高校生に向けた助言を自分なりにまとめてみたいと思います。なお、昨年3月13日に書いた下記記事へ半ば補足するような形になるので、ご了承ください。

(1) 勉強について

 とりあえずここでは、1, 2年で履修する基礎教養科目について述べます。まず授業への出席数はちゃんと稼いでおきましょう。加えて、1年次に履修する(場合により2年次もやる)理科 ー 物理, 化学, 生物 ーと数学は高校時代のそれとレベルが格段に違います。特に数学・物理に関しては、中学・高校でやっていた正攻法 ー すなわち、地道に問題数をこなして解法のパターンを身に着ける ー では勝てません。試験の際には、過去問やヤマ集を暗記してマスターするしか無いでしょう。化学については、生物学のように暗記するしか無いとは思いますが、それでも高校化学と比べてレベルが違いすぎるので、最終的には過去問・ヤマ集に頼るしか無いでしょう。

(2) 部活(特に体育会系)について

 上記の過去記事でも指摘していますが、部活・サークル, 特に体育会系の部活に入るのはメリットばかりではないのです。

利点: 体育会系なら運動する機会が得られる。先輩・後輩ネットワークを築けて孤立しない。

欠点: 上下関係・同調圧力が半端ない。飲酒に関連して、下手すれば犯罪まがいのトラブルが生じる。プライベートの時間や学業にかける時間を削られる。金がかかる。

 マイペースな人, 自分の時間を沢山持ちたい人, 真面目に勉強したい人は入らない方がいいでしょう。

(3) 奨学金, 特に医師確保修学資金について

 特に低所得〜中所得世帯にとって、奨学金は喉から手が出るほど羨ましい話でしょう。しかし、タダで金を貸与してくれる訳ではないのです。特に地方自治体が創設した『医師確保修学資金』は(そして地域枠も)、「X年この地域で働いたら、貸与した金はチャラにしてあげるよ」という一種の契約なのです。

 但し、過去の上記記事でも指摘したように、あなたがこの奨学金の規定通りにその地域に勤務したとしても、上級医から適切なフィードバックを得られる保証はありません。ましてや好待遇なんて期待すべきではありません。酷な例えですが、『医師修学資金』や『地域枠』に加入したあなたと地方自治体・医学部/大学病院の首脳部の関係性は、アジア太平洋戦争時の特別攻撃隊と陸海軍首脳部のようなものです(詳細は下記を参照)。尽忠報国』や『七生報国』の精神を(たとえ極限状態においても)維持できる自信がないのであれば、『医師修学資金』を利用するのはやめておきましょう。

(4) 番外編 ー 臨床医学の勉強について

 過去の記事でも指摘したように(下記)、臨床医学の講義・実習の質もイマイチです。ちゃんと出席数を確保し、定期試験と国家試験で合格することは必須ですが、ちゃんと講義や実習に出て、試験に受かっても獲得できない知識があります。

 また、これは私の経験談になりますが、今の医学部カリキュラムでは① 患者の主訴・症候から鑑別診断を絞り込む, ② 患者が急変したときの蘇生処置(ACLS, JATECとか), ③ 抗菌薬の適切な使い方, ④ 人工呼吸器の設定方法・考え方, を学ぶことができません。初期研修医になって自力で学ぶしかないのです。

 卒後に臨床で使える知識を全て得られる訳ではない, 講義・実習内容もつまらなくてモチベーションが保てない…それでは困りますよね?そんな時は、初期研修医・医学生向けのセミナーに思い切って参加してみてはどうでしょうか下記の記事で紹介した『日本感染症教育研究会(IDATEN)』に登録したら、そのようなセミナー情報を手に入れることができます。