Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

日本のどっかに勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

毒舌注意。最近職場でムッとした事について。

 久しぶり更新します。お待たせしてすいませんでした。最近、本業が忙しく、ネタはあってもまとめて書く余裕がありませんでした。

 今日は、前から不満には思っていたのですが、ついついイラッとしたことについて書きます。

 医師の仕事はもっぱら、外来診察, 急患診察, 手術, 病棟での診察・処置等の「診療業務」なのですが、実は「書類作成」にも結構時間をとられているんです。その中身は(私自身の経験では)主に、

①外来・入院中の担当患者の診断書作成(自家用車運転の可否や必要な療養期間等について記載する)

②担当した入院患者が退院したら、入院経過サマリーを作成

③他の医療機関や診療科へ患者を転院搬送・紹介受診させるための紹介状作成(自分がいる医療機関で治療・診断が完結できない急患だけでなく、患者の状態が安定して回復期リハビリ病棟へ転院する場合や, 大病院の外来通院から近くの開業医への通院に変更したい患者も含む)

④入院患者の保険審査のための症状詳記作成(1か月ごとに経過のサマリーを作成。その中で使用した治療薬や医療機器等に関しても書く)

の4つです。

 ①, ③に関しては、診療行為を行った医師本人でないと分からないこともあろうかと思うので、仕方がない場合はあると思います。しかし、①~④の全部が全部、医師がやらなければいけない理由ってあるんでしょうか?ましてや、(診療科にもよりますが)病院勤務の医師は大抵、予定手術, 緊急手術・急患対応, 病棟回診・処置等の膨大な業務をこなさなければならず、しかも当直や緊急呼び出しにまで対応しています(当然定時に帰れない)。そのような医療スタッフに、文書仕事まで押し付けて休養や勉学の時間を奪う妥当性は乏しいと私は感じています。

 医師, 看護師ら医療スタッフと異なり、病院勤務の医療事務職員は大抵(救急外来の夜間当直事務員は除く)定時に帰り、当直や緊急呼び出しなんてありません。事実私も、そのような事務職員から、夕方疲れ切った時間帯や、昼食も食べぬまま急患対応がひと段落した午後1のタイミングで、「この書類がまだですが」と声をかけられて怒髪天を突きそうになったことはこれまで何回もありました。

 前から何回も本ブログで指摘していますが、厚労省や医師会らは『医師の働き方改革』を唱えながらも、まともな策を打ち出せていません。臨床現場を必死で維持する医療スタッフの負担を少しでも分散する試みは無いのでしょうか。冗長な書類仕事は、もっと医療事務職員が担う体制を整えるべきです。