東京五輪に関して、気がかりなニュースが出ています。国家予算で既に8011億円の支出を要しているのだそうです。
※Yahooニュースのリンク切れが判明したので、下記のリンクを産経新聞のものに切り替えました。(2018/11/19)
実は不幸にも、2016年に五輪を開催したリオデジャネイロでは、もう既に五輪の負の影響が出ているのです。
ブラジルは五輪のインフラへ投資を行なった結果、2012年の段階で財政収支が赤字になり、2016年の時点では長期負債が約3.5兆円に達しました。その結果、警察や博物館といった、生活や教育・文化に寄与する予算が削られました。これが治安の悪化や上記リンク記事にも出ている博物館の火災にも繋がってしまったのです。
国立競技場を新設するに止まらず、他にも東京都内へ競技場を新設する計画が進行中ですが、その結果が冒頭のリンクの記事です。加えて、2つ目の記事によると、新設される競技場は将来的に億単位の赤字が見込まれているのだそうです。考え方によっては、リオデジャネイロは東京, 或いは日本の近未来の姿とも考えられます。
世論もマスコミも、2020年に東京が五輪開催地と決定した瞬間から、東京五輪に対して終始、9割9分大歓迎ムードで、2つ目の記事みたく疑問や危機感を呈する報道・論評は皆無と言ってよいでしょう。目の前のサーカスばかりに気を取られ、気がついたら肝心のパンに窮乏する羽目に陥りかねません。
まさに、戦時中の日本と同じ。「短期的な勘定に気を取られ、長期的な視野が欠落した結果ジリ貧の状態へ追い込まれる」という悲劇(ないし失敗例)をまた繰り返すつもりなのでしょうか。