Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

日本のどっかに勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

医学部裏口入学について思う事

maria-magdalena777.amebaownd.com

※ ↑Yahoo!ニュース(プライムニュースサンデーが記事を提供)のリンクが切れていることが判明したため、その記事を転載しているブログを勝手ながら代わりに引用させてもらいました。(2019/1/1)申し訳ありませんが、これしか無かったのでご容赦ください。


 前から気になってはいたのですが、今回は医学部裏口入学に関して思うところをぶちまけたいと思います。

 事件の発端は、東京医科大学文科省の「私立大学ブランディング事業」(独自色のある研究を打ち出した私立大学に補助金を出す)の指定を受けようとした事です。文部科学省の科学技術・学術政策局長は、東京医大のプログラムを選出する見返りに自身の息子を合格させるようにしてもらったのです。この行為が受託収賄に当たると判断されたのです。

 上記の記事だけでも目から鱗の情報が沢山あるかと思います。特に、「医学部裏口入学のブローカーが居る」という事実は私も初耳でした。

 加えて、参考までに、他の医療関係者が書いたブログの記事も載せておきますね(お二人とも、私の知り合いではなく、偶然ネット上で見つけたブログです。勝手に引用して申し訳ありません)。

doctorcouple.jp

resident-nobita.com

冒頭の記事及び上記2ブログから、重要そう(ないし興味深い)な点を抜粋すると、以下3点にまとめる事が出来るでしょう。

医学部は赤字経営になりやすい。しかも偏差値が上がる・人気が上がるといった要因で一般家庭出身の受験生・入学者が増えた。医師(特に開業医)の子弟を入学させると寄付金を集めやすいが、一般家庭はそうはいかない。そこで大学によっては同窓会名簿を作り、同窓生の子弟の合格を優先している所もあるらしい。

たとえ不正なプロセスで合格しても、定期試験, そして何よりも医師国家試験というチェックポイントがあるので、学力・能力が不足している者はふるい落とされる。よって不正合格で医療の質が下がるという結果は生じ得ない。

医学部受験はブラックボックスである。

 私が一番ネックだと思っているのは③です。従って、まず一般市民の不信を取り除く為に、東京医大に限らず各大学医学部は、「大学入試でどのように学生を選考していたのか」というプロセスを情報公開すべきです。その上で、専門家(医療関係者や法律家など)と一般市民から意見を募るだけでなく、両者の議論によって妥協点を導き出すのが妥当と考えます。それによって、「公平・公正な入試」と「大学経営側の都合」と「社会的な影響」の共立を図ることが出来るはずだと思うのです。