であり、死亡リスクはプラセボよりもモルヌピラビルで89%(95%CI 14~99)低かった。大半のsubgroupにおいて入院or死亡した参加者の割合はプラセボよりもモルヌピラビルで低かったものの、関連する信頼区間は、こうした効果の程度に顕著な不確定性を示している(Fig. 3)。29日目までの入院 or 死亡リスクの差に関する点推定がモルヌピラビルよりもプラセボを優位とするものは、
MOVe-OUTの第3相臨床試験由来のデータは、発症から5日以内に開始したモルヌピラビルが29日目までの入院 or 死亡リスクを減らすことを減らすことを示した。同様の集団へのモノクローナル抗体両方を評価した臨床試験では、プラセボ群における入院or死亡の発生率は約3~7%と報告されている。それに対し、MOVe-OUT第3相試験での発生率は中間解析で14%, 全ランダム化解析で10%であり、MOVe-OUTの参加者は病勢進行のリスクが高かったことが示された。29日目の入院 or 死亡率は、プラセボよりもモルヌピラビルで中間解析で6.8%, 全ランダム化解析で3.0%低く、こうした改善は改善, 医療システム, 公衆衛生にとって有意義である可能性がある。モルヌピラビル療法の有効性は、デルタ株・ガンマ株・ミュー株感染者を含む多くのsubgroupで一致していた。SARS-CoV-2既感染の証拠がある患者, baselineのウイルス量が少ない患者, 糖尿病患者を含む複数のsubgroupで、モルヌピラビルはプラセボよりも良好な転帰を示さなかった; 全例で推定リスク差の95%信頼区間は0を含んでいた。Secondary end pointも、モルヌピラビルの効果がプラセボを上回っていることを示した。モルヌピラビルに関する安全上の懸念は認められず, また検査で臨床的に意味のある以上のパターンの証拠も無かった。
こんにちは。現役救急医です。今日は、2021年12/15にNew England Journalに掲載されたコロナワクチンに関する論文"Efficacy and Safety of NVX-CoV2373 in Adults in the United States and Mexico"(Dunckle L.M., Kotloff K.L. et al.; DOI: 10.1056/NEJMoa2116185)を紹介してみます。
Primary end pointは、初発の軽症, 中等症 or 重症COVID-19(2回目接種から少なくとも7日後に発症したもの)の予防に関するNVXワクチンの有効性を推定することだった。Primary end pointの評価は、i. ランダム化後、割り振られた通りに2回接種を受けた人, ii. baselineで抗SARS-CoV-2 nucleoprotein抗体陰性・SARS-CoV-2 RNA RT-PCR陰性だった人, 及び iii. 2回目接種7日後より前に除外されるようなeventが無かった人, が含まれるper-protcolefficacy analysis populationで行われた。
主要なsecondary objectiveは、variant of concern(VOC: 懸念すべき変異株)・variant of interest(VOI: 注意を要する変異株)のいずれでもないSARS-CoV-2によるCOVID-19への予防効果を決定することである。
またsecondary end pointとして、中等症・重症COVID-19に対するワクチン有効性を推定した。ここで中等症COVID-19とは、高熱と, 下気道感染症の客観的な証拠があることと定義される。重症COVID-19とは、
この臨床研究は、primary end pointに関する有意性を達成するのに必要と予想されるevent数に基づく有効性を評価する為に設計されており、元々primary end pointの定義に合うには144症例が必要だと推計された。しかし、臨床試験の実行可能性を維持する為, そして 緊急使用承認によって全国的にワクチンが入手可能となった状況下で、参加者を留めるために、"blinded crossover"(最初プラセボ群に割り振られた参加者がNVXワクチンを接種される, 及び その逆も然り)が実施された。