救急
ご無沙汰しております。久々の更新になってしまいましたが、今回は論文を英訳, 自分なりに要約してみたいと思います。今回、参考にしたのは"Impact of Endovascular Therapy in Patients With Large Ischemic Core; Subanalysis of Recovery by Endovascular…
さて、昨日少々衝撃的なニュースが来ました。『白い巨塔2019』で主人公の愛人役をやった沢尻エリカがMDMA所持で逮捕されたとのことです。 今回は、MDMAがどういう薬物なのかまとめてみたいと思います。参考文献は'UpToDate'です。 (1) Introduction MDMAの正…
今回もまた、「英語論文和訳してみた」シリーズです。今回は、敗血症性ショックの患者に対するエンドトキシン吸着療法のランダム化コントロール研究です。元ネタの論文は、'Effect of Targeted Polymyxin B Hemoperfusion on 28-Day Mortality in Patients W…
今回は、研修医向けにも勉強になりそうなことを書きます。救急外来に来院した気管支喘息発作患者の治療の話です。「気管支喘息の診断・治療」の話は、今や様々な参考書に書いてあってベタかもしれませんね。なので、今回は'UpToDate'を参考に、極力簡潔にま…
今回も「英語論文を和訳してみた」シリーズです。参考にした文献は、'Effect of Vitamine C Infusion on Organ Failure and Biomarkers of Inflammation and Vascular Injury in Patients With Sepsis and Severe Acute Respiratory Failure. The CITRIS-ALI…
さて、今回は久しぶりに『論文和訳してみた』シリーズ(?)を掲載します。今回紹介するのは"Assosiation of General Anesthesia vs Procedual Sedation With Functional Outcome Among Patients With Acute Ischemic Stroke Undergoing Thrombectomy A Systemi…
ずっと、更新が止まってしまいました。すみません。理由は3つかあります。 ①ネタが切れた。 ②仕事から帰ると、疲れてブログを書く気がしなかった。 ③単に更新が面倒臭くなった。 以前から本ブログで愚痴っていますが、救急搬送された患者に診断を下し、当該…
数日ぶりの更新です。今日は、日頃の診療業務を通して感じた日本の人材育成の課題を綴ってみたいと思います。 以前も本ブログやtwitterアカウントでも述べていますが、救急科にて多発外傷, 壊死性筋膜炎等の重症患者を収容し、適宜 各専門診療科(救急科は蘇…
今回は、学生・研修医が今後しばしば直面するであろう低Na血症の補正について述べます。なお、低Naの原因の鑑別方法や病態生理に関しては、様々な成書で記載があるので今回は省略します。参考文献は前回の投稿同様、'UpToDate'です。 (1) 治療開始時に重要な…
今日は、蛇に噛まれた際の治療法について書いてみたいと思います。『救急診療指針』(下記リンク参照)にも、日本国内に生息するマムシ, ハブ, ヤマカガシによる咬傷への治療法等に関する記載があります。 ただし、'UpToDate'を検索してみると、更に詳しい解…
久しぶりの更新となります。時々ネタはふと思いつくのですが、なかなか文章化する機会がなく(正確には、気が起きず)過ごしていました。今日は、大学病院の救命センターで診療に携わって思った事などを綴りたいと思います。 (1) 内科系診療科でも重症管理(I…
今日は久しぶりに医学ネタに戻します。 今日はextracorporeal membrane oxygeneration(略称; ECMO)の話をしましょう。まずこれはどうゆう物かと言うと、「遠心ポンプと膜型人工肺を用いた貯血槽をもたない閉鎖回路による人工心肺補助法」(『救急診療指針 …
最近、Twitterなどで大津市民病院の救急医一斉退職のニュースが話題になっていました。 救急科以外で蘇生や重症管理に慣れているのは(私の勝手なイメージですが)循環器内科医, 麻酔科医, 心臓血管外科医, (一部の)腹部外科医, 脳神経外科医という感じで…
昨日放送された『白い巨塔2019』第4話では、財前が手術を担当した患者が術後、発熱, 腹痛などを発症。財前らは「術後胆管炎だ」と考え、医局員にその治療をするよう指示します。しかしながら、治療によって症状は改善するどころか増悪し、最終的に死亡します…
今日は、大学病院で救命救急センター, 及びドクターヘリでの診療を通して感じた日本(或いは地域)の医療の問題点を綴ってみようかと思います。 (1) 3次救急病院ならば全診療科を揃えておくべきでは 私の勤務する都道府県は、私の居る大学病院を含めると合計…
過日、NHK総合の『クローズアップ現代プラス』で「アーバンイノシシ物語 ワシらが都会を目指すわけ」という物を放送していました。 最近、イノシシが東京都心部や神戸市中心部といった都会に出没しているのだそうです。その原因としては、 1. 天敵であったオ…
今日で東日本大震災から8年。私は既に大学生でしたが、忘れもしません。激しい揺れと、TVで見たおぞましい津波の映像, 爆発する原発建屋。こんなことを言ってはなんですが、「この世の終わり」をこれほど強く意識したことはありませんでした。 8年経過し、津…
こんにちは。実は昨日、大学時代に所属していた部活の追いコンに出席してきました。どうやら医師・看護師国家試験共にまだ結果は出てないようですが、僕なりに盛大にお祝いし、激励してきました(笑) なので今日は、4月から初期研修医になる人の為に「これ…
今日は久しぶり?に医療・医学ネタに戻ろうかと思います。4月から研修医になる人も居るでしょうから、人工呼吸器の話をしてみます。 (1) まずは適応の話から 人工呼吸器及び気管挿管の適応となるのは次の通りです。 1. 気道の問題: 意識障害, 上気道の閉塞, …
ちょっと久しぶりに医療ネタへ戻ります。 以前、地方の市中病院に勤務している知り合いの脳外科医と話していた時に、こんなグチをこぼしていました。 「大学から来ている外科医が、脳梗塞の患者を見逃し帰らせた」 この脳外科医の勤務する病院(以下A病院)で…
さて、1月も中旬に差し掛かりましたが、私の勤務先でも外来・病棟内でインフルエンザの患者がポツリポツリと出ています。抗インフルエンザ薬を処方してもらう患者さんが多々見受けられますが、果たしてこの人たち全てに、本当に必要なのでしょうか? まず、T…
前2回に続き、「敗血症セミナー2018in名古屋」で学んだ内容から、特に興味深い知見をシェアしていこうと思います。 ⑥ARDS(acute respiratory distres symdrome)の予後改善には、高いPEEP, 低いピーク圧, 低いプラトー圧, 低いdriving pressureが良い 'LUNG S…
前回に引き続き、「敗血症セミナーin名古屋2018」で学んだ内容を紹介していこうと思います。 ④敗血症への高用量血液濾過(high-volume haemfiltration; HVHF)の効果は現段階で不明 昨年出されたsystematic review(Borthwick EM, Hill CJ et al. 'High-volu…
去る12/1、愛知県名古屋市内某所で、日本救急医学会と同集中治療学会が共催する「敗血症セミナーin名古屋2018」へ出席しました。敗血症・感染症の専門家が、最新のエビデンスを含めつつ日本版の敗血症ガイドラインを解説する講義でした。そうした情報の中か…
今回も、英語論文の和訳&紹介を行いたいと思います。今日の元ネタは 'Antibiotics for Sepsis-Finding the Equilibrium'(Klompas M, Calandra T, Singer M. JAMA 2018;320(14);1433-1434)です。 2017年にRhodesらが発表した'The Surviving Sepsis Campaign …
今回は、久しぶりに論文の和訳(+要約)を載せてみたいと思います。元ネタはNew England Journal of Medicineの症例報告"Case 31-2018: A 37-Years-Old Man with a Self-Inflicted Gunshot Wound"(N Engl J Med:379;15:1464-1472)です。 (1) 症例提示 37歳…
コードブルーの劇場版、かなりの人気ですね。家族(非医療系の一般人)と見に行きましたが、やけに感動していました。それだけストーリー構成は良かったのでしょう。 www.cinematoday.jp ただ、これは私個人の感想ですが、日本の医療系ドラマは総じて ①飛び…
今回は、NEJMに本年8月に掲載されていたReview Article, 'Acute Viral Encephalitis' (Tyler KL. N Engl J Med 2018;379;6:557-566)の内容を紹介してみたいと思います。 (1) 疫学的な話 NEJMは米国のジャーナルで、今回は筆者も米国人なので米国のデータが提…
過日、某県(以下X県)の過疎地域(以下Y地方)の診療所で勤務する知り合いの内科医(以下A氏)と飲んでいたら、自治体や大学病院の、地域医療に対する余りにもお寒い対応を知ってしまったので、問題提起も兼ねてここに綴っておきます。 Y地方では数年前、夜間に車…
数年前の話になってしまいますが、1週間ほど米国の病院を見学する機会があったので、その時見聞きしたこと, 感じたことを今回は綴ってみようと思います。なお、私の個人情報特定を避けるため具体的な時期や場所は公開しない形で記述するので、ご了承よろしく…