Voice of ER ー若輩救急医の呟きー

日本のどっかに勤務する救急医。医療を始め、国内外の問題につきぼちぼち呟く予定です。

救急

【医療関係者向け】全てのインフルエンザ患者に、抗ウイルス薬が必要なのか?

さて、1月も中旬に差し掛かりましたが、私の勤務先でも外来・病棟内でインフルエンザの患者がポツリポツリと出ています。抗インフルエンザ薬を処方してもらう患者さんが多々見受けられますが、果たしてこの人たち全てに、本当に必要なのでしょうか? まず、T…

【医療関係者向け】敗血症セミナーに行ってきました(3)

前2回に続き、「敗血症セミナー2018in名古屋」で学んだ内容から、特に興味深い知見をシェアしていこうと思います。 ⑥ARDS(acute respiratory distres symdrome)の予後改善には、高いPEEP, 低いピーク圧, 低いプラトー圧, 低いdriving pressureが良い 'LUNG S…

【医療関係者向け】敗血症セミナーに行ってきました(2)

前回に引き続き、「敗血症セミナーin名古屋2018」で学んだ内容を紹介していこうと思います。 ④敗血症への高用量血液濾過(high-volume haemfiltration; HVHF)の効果は現段階で不明 昨年出されたsystematic review(Borthwick EM, Hill CJ et al. 'High-volu…

【医療関係者向け】敗血症セミナーに行ってきました(1)

去る12/1、愛知県名古屋市内某所で、日本救急医学会と同集中治療学会が共催する「敗血症セミナーin名古屋2018」へ出席しました。敗血症・感染症の専門家が、最新のエビデンスを含めつつ日本版の敗血症ガイドラインを解説する講義でした。そうした情報の中か…

【医療関係者向け】敗血症の診断・治療は慎重に行うべし

今回も、英語論文の和訳&紹介を行いたいと思います。今日の元ネタは 'Antibiotics for Sepsis-Finding the Equilibrium'(Klompas M, Calandra T, Singer M. JAMA 2018;320(14);1433-1434)です。 2017年にRhodesらが発表した'The Surviving Sepsis Campaign …

【医療関係者向け】NEJM Case Record; 37歳男性, 顔面銃創

今回は、久しぶりに論文の和訳(+要約)を載せてみたいと思います。元ネタはNew England Journal of Medicineの症例報告"Case 31-2018: A 37-Years-Old Man with a Self-Inflicted Gunshot Wound"(N Engl J Med:379;15:1464-1472)です。 (1) 症例提示 37歳…

個人的に勧めたい医療系ドラマ

コードブルーの劇場版、かなりの人気ですね。家族(非医療系の一般人)と見に行きましたが、やけに感動していました。それだけストーリー構成は良かったのでしょう。 www.cinematoday.jp ただ、これは私個人の感想ですが、日本の医療系ドラマは総じて ①飛び…

【医療関係者向け】ウイルス性脳炎について

今回は、NEJMに本年8月に掲載されていたReview Article, 'Acute Viral Encephalitis' (Tyler KL. N Engl J Med 2018;379;6:557-566)の内容を紹介してみたいと思います。 (1) 疫学的な話 NEJMは米国のジャーナルで、今回は筆者も米国人なので米国のデータが提…

呆れた『地域医療支援』の実態

過日、某県(以下X県)の過疎地域(以下Y地方)の診療所で勤務する知り合いの内科医(以下A氏)と飲んでいたら、自治体や大学病院の、地域医療に対する余りにもお寒い対応を知ってしまったので、問題提起も兼ねてここに綴っておきます。 Y地方では数年前、夜間に車…

渡米体験談

数年前の話になってしまいますが、1週間ほど米国の病院を見学する機会があったので、その時見聞きしたこと, 感じたことを今回は綴ってみようと思います。なお、私の個人情報特定を避けるため具体的な時期や場所は公開しない形で記述するので、ご了承よろしく…

【医療関係者向け】発症時間不明の脳梗塞でも、t-PAが奏功する場合がある?

以前、脳梗塞の治療について総論的な事をまとめてみましたが(下記リンク参照)、新しい知見が出ていたようなので、今回はそれを紹介してみます。今回参考とした論文は'MRI-Guided Thrombolysis for Stroke with Unkown Time of Onset' Thomalla G., Simonse…

【医療関係者向け】出血性ショックの外傷患者の搬送中に、新鮮凍結血漿を投与すれば予後は改善するのか?

皆様、もう『劇場版コードブルー』は見に行きましたか?私は先週末に映画館で見てきました。あれはドクターヘリを所有する救急救命センターが舞台のドラマですが、今回はドクターヘリに関連した論文を紹介したいと思います('Prehospital Plasma during Air …

【医療関係者向け】化学兵器攻撃への対応(2)

前回に引き続き、化学兵器攻撃への対応を医療的観点からまとめていきたいと思います(下記リンクは前回のもの)。 voiceofer.hatenablog.com (3)実際の対応の流れ 化学兵器攻撃の急性期においては、迅速な安全策を講じ, 尚且つ 時間に敏感な治療を早急か…

【医療関係者向け】化学兵器攻撃への対応(1)

麻原彰晃死刑囚への死刑執行が報道され、オウム真理教の地下鉄サリン事件がまた話題になっていたので、今回は化学兵器攻撃に対する対応を医療の観点からまとめてみたいと思います。今回参考にしたのは今年4月に掲載されたreview article, 'Toxidorome Recogn…

【医療関係者向け】CPR中は挿管すべきか?BVMか?

今回は医療関係者向けという事で、最近読んだ論文を紹介してみたいと思います。CPR中に用いた気道確保の方法 ー バッグマスク換気(bag-mask ventilation: BVM)と気管挿管(endotracheal intubation: ETI)の2法 ー が患者さんの予後に与える影響を検証した…

【医療関係者向け】脳梗塞急性期の治療について

今回は脳梗塞の急性期治療について勉強した事を書いてみたいと思います。 (1)t-PAについて 国家試験に既に合格した初期研修医であれば誰しも、「t-PAは発症4.5時間以内」という事は分かると思います。では、どうゆうふうに適応を判断するのでしょう?①神経症…

理想的な初期研修とは(2)

前回に引き続き、理想的な初期研修はどうゆう物か考えて行きます。今回は私が実際に経験した実例を示したいと思います。 以前、知り合いの誘いで沖縄県うるま市にある県立中部病院の救急科を見学した事があるのですが、そこの完成された診療体制に大いに感銘…

初めまして。

初めまして。初めてブログなるものを書いています、"Voice of ER"です。 まず私が何者か、どなたを対象にどんな情報を発信したいのか話したいと思います。お気付きの方もいらっしゃると思いますが、このブログの題名であるVoice of ERのERとは"emergency roo…